パンフレットやチラシなど印刷物をデザインする際、クライアント様からのご支給データを利用することは少なからずあります。
元々、印刷を前提としたデータで作成（または撮影）されている場合は問題ないのですが、それなりの比率で印刷を前提としていないデータでご支給いただくことがあります。

スマホの性能が上がったことにより、以前より綺麗な写真が簡単に撮影できるようになりました。同時に、ご支給いただく画像の質も以前より向上していることも確かです。しかし印刷に必要な諸条件を把握している上でのご支給画像とそうではないご支給画像とでは、ご支給いただく方法も含めた上で大きくその後の環境が変わります。この記事では画像の解像度について解説したいと思います。

そもそも画像解像度とは

そもそも「画像解像度」とはなんなのか？
端的にいうと画像解像度とは画像の精細さを表す数値です。
この画像解像度だったり画像の精細さなんてものを普段の生活で気にすることは当然ありませんよね。
最近のスマホで撮影した画像は、家やお店でプリントする分には十分に綺麗な画質ですし、画像サイズもそれなりに大きいサイズで撮影することが可能です。それに最近ではプライベートで撮影した写真をプリントをせずクラウドやハードディスクに保存している人も多いでしょう。
少し注意が必要なのは、写真をクラウド保存する場合に自動で圧縮がかかってしまいサイズが小さくなっている場合があります。もちろん、画面で見る際には美しい状態で見ることが可能なのですが、保存した写真をパンフレットやチラシ用の印刷データとして考えるなら話は変わります。
サイズの圧縮が行われた場合、実際の印刷物に必要なサイズから小さくなってします場合があります。

印刷用の画像解像度は350dpiで充分

まずは結論から。

印刷用の画像解像度は350dpiです。
この350dpiついては、なんとなく見たり聞いたりしたことがある人も多いかもしれません。ちょっと補足すると「実際に使用するサイズ（印刷物の実寸100%）で350dpi」です。

これが実際に使用するサイズより小さいと画像はぼやけてしまいます。また、大きくても意味がありません。画像サイズが大きいからといって仕上がりが綺麗になるわけではありません。大きすぎる画像はデータが重くなってしまい、データ制作や出力など諸々の作業に時間がかかるだけです。

画像解像度が高すぎるのもNG

「サイズが一緒でも350dpi以上の解像度ならメッチャきれいになるんじゃないの？」

と思う方もいらっしゃるかもしれないですね。
サイズが同じなら350dpiより500dpi、500dpiより1000dpiの方が画質がキレイなのは本当ですが、これもまた印刷物として考えると間違いです。
正確には「基本的には印刷機の都合上、350dpi以上の解像度は意味がない」のです。
つまりパンフレットやチラシなどの印刷物においては「高すぎる解像度」は「大きすぎるサイズ」と同じく、データが重くなるだけで何の意味も持たないのです。

画像は「撮影時」が一番キレイ

この場合のキレイは、明るいとか暗いとか、構図がどうとかの意味ではなく「解像度と画像の大きさ」という意味でお考えください。
つまり、撮影時より大きな画像にすることはできないということです。
理論上、解像度を高くすれば画像のサイズ（実寸）は小さくなりますし、一度小さくリサイズした画像を大きくすることはできません。

今いちピンとこない方のために「よくある実例」で補足すると、下記の様な場合に注意が必要です。

01）デジカメの設定

デジタルカメラで写真を撮影する際に、撮影可能な写真枚数を増やす設定にすると、基本的に小さな画像サイズで撮影されています。従って、これを印刷用の画像にリサイズし直すと実寸で350dpi以下の画像になってしまうことがあります。

02）LINEでやりとりした画像

LINEはデフォルトでは画像を圧縮して送信します。いつかのアップデートでオリジナル画質での送信ができるようになっている様ですが、LINEでの画像の支給は注意が必要です。

03）ホームページから持ってくる

これはカメラで撮影したもの、或いはご支給していただく画像とは異なりますが、結構頻繁に「あるある」な事例なので説明しておきます。
「ロゴはホームページから持ってきて」
「社長の写真はホームページのやつを使って」などのWEB用にリサイズされた画像の場合です。WEBは72dpiなので、ホームページで使用されている画像の実寸次第では印刷物には不向きです。

まとめ

画像解像度は印刷物の仕上がりに直結します。
写真のクオリティがいくら高くても、小さいサイズの写真を引き伸ばしたらぼやけてしまって、せっかくのクオリティも台無しです。
やっぱり、チラシにせよパンフレットにせよコストをかけて作るものなので、せっかくならキレイになるように、ここにも気を配っていきたいところです。

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