気持ちよく仕事がしたい…。デザイナーにやってはいけない+言ってはいけない!10のこと
こんにちは。デザイナーのYAです。
さて今日は、ズバリ「デザイナーに言ってはいけない10のこと」をお伝えしようかと思います。
前回は「気持ちよく仕事が出来る!デザイナーがされて・言われて嬉しい10のこと」をお話ししました。
今回はそれとは真逆のお話になります。
どの業種でも仕事をしていると、「え……?」「なんで今更……?」「それはちょっと……」と思ってしまうお客様のお声って結構あると思うんです。
そんなお声のいろいろを、今までのデザイナー業務の中で実際に体験したことと合わせて、デザイナーの目線からお話ししていきたいと思います。
1.曖昧すぎる指示を出される
ここでの「曖昧」とは、「どうしたいのかを明確に教えてもらえない」ということです。
例えば……
・「雰囲気よく作って」
・「高級感がほしいけど高級すぎるのも嫌だからそれっぽく作って」
・「流行に流されないようなデザインがいい」
・「おしゃれに」「きれいに」「かっこよく」などの単語のみを言われる
こういったことですね。パッと見て、具体的にどうしたいのかがわかりませんよね?
これはデザイナーはとても困ってしまいます。
何度か具体的なことを聞いても、「とりあえず作って」と押し切られることも少なくはありません。
一言に「きれい」や「かっこよく」と言ってもいろんな意味があります。
例えば「きれいな色」がいいのか、「きれいな要素の並べ方・レイアウト」がいいのか、「きれいな写真」を使いたいのか、「きれいな柄」を使いたいのか……こういう細かなご要望までは読み取れません。
デザインとは本来お客様とヒアリングをしながら作り上げていくものですから、お仕事を依頼する時はどんな雰囲気で作りたいのかなどの指示は、デザイナーには必ず明確に伝えるようにしましょう。そうすることで、より良いものが仕上がること間違いなしでしょう。
2.『これってデザイン変えられます?』『やっぱこういうデザインに変えてください』
「うっ……」と声が出そうになります。これ、結構よくあることなんです。
例えば名刺やカードなんかだと、チラシやパンフレットと比べサイズが小さいのですぐに変えが効くようなイメージがあるかと思いますが、全く違うんです。
デザイナーは、そのお店やご依頼主様がどういうことをしていて、どういうものを売りたいのか、何を推したいのかなどなど、色々考えながら時間をかけてデザインを仕上げていきます。
お客様のお気に召さなかったのはデザイナーの力不足だったりと致し方ないことでもありますが、ご希望のデザイン見本などをいただいて作ったのにも関わらずこれを言われてしまうと……。
理由があるのならばもちろんだめとは言いませんが、もし理由がなかった場合、デザイナーとその内容によっては、お仕事がうまく進まなくなる可能性だって大いにありえるのです。
もし「これじゃない!」と思ったとしても、『デザインを変更できるか』の前に、その理由などを付け加えてデザイナーにはお願いしてみるといいでしょう。
デザイナーや会社によっては、「デザインの変更」や「追加デザイン」などのご要望には別料金がかかることもありますので、そういったコスト面も含めて、イメージを固めておくといいでしょう。
3.『すぐ作って欲しいです』
これもあるあるのご要望です。小ぶりな印刷物や、頂いたテキストや写真をテンプレートなどに当てはめていくだけなら急ぎで対応できたとしても、しっかり考えて作る広告物はそれなりに時間がかかってしまいます。急いでパパッと作ってしまう広告物というのは必ずどこかに抜けやミスがあり、納得いかないものができる可能性だって大いにあり得ます。
デザイナーにお急ぎの仕事を依頼しようと思っている方は、できるだけ「すぐに」などのワードは使わず、「できればですが……」と、入りを柔らかくするといいでしょう。
4.『社内で検討したいんで”何パターン”か作ってください』
『うーん…両方納得いかないなあ。もう1案全く違うデザインで作ってもらえる?』
これもよくあるご要望ではありますが、デザイナーにとってはあまり喜ばしくない内容ではないでしょうか。
何を社内で検討するのかがわからない上に、”何パターンか”というこれまた曖昧な指示だから、という理由です。
「社内ではこういう意見とああいう意見で割れてるから、それぞれを活かしたもので2パターン作って欲しい」など、そこに明確な理由があればデザイナーは納得して作りますが、ただ数パターン作ってと言われてしまうと、げんなりしてしまうデザイナーも中にはいるでしょう。頑張って作ったもう片方は採用されず消えることになりますからね。
さらに追い討ちをかけるような『もう1案』などのご要望は、会社によってはNGであるところも少なくはないでしょうから、依頼をする際はしっかりイメージを固めて、なるべく1案で済むように要望を送るとスムーズにお仕事が進むはずです。
こちらも「2」の項目と同様に追加料金がかかることもありますので、しっかりとイメージは固めておきましょう。
5.見積もりに対して『高くないですか?』『もっと安くなりません?』
これはデザイナーだけではなく、どの業種においても悩ましいことだと思います。金額の問題はかなりシビアな部分でもありますからね。
でも悩ましく思うのは当然のことで、テンプレートに当てはめて作るなどの作業であれば割と安価に済むところも多々ありますが、通常のデザイン業務ではお客様ときちんとヒアリングをし、現場を取材し、内容を精査してからの制作。社内でもその広告に間違いがないかの校正を行います。それだけでもかなりの時間と人が動くことになりますよね。その分の制作費や人件費もそれなりにかかってしまうのです。
ぱっと見簡単に見えるような作業でも、そこには必ず時間とコストがかかっていることを頭の片隅に留めていただき、デザイナーに依頼をする時は「どうにかなりませんか?」などとマイルドな言葉から話を始め、不要な工程や要素を省くなどしてコストを減らしてもらいましょう。
6.無理難題を言われる
これは言葉というより内容のお話ですね。もちろんデザイナーは広告物を作るのが仕事です。そして、それを怠ることがないよう日々知識を取り入れ、精進しています。かくいう私もそうなのですが、それでもやっぱりできないことってあります。
例えば20回、30回と、ご依頼金額に全く見合わない大量の修正の依頼をされたり、グラフィックデザイナーやウェブデザイナーに「イラストレーターが描くような絵を描いてくれ」などと依頼されたり、「明日までに印刷されたものがほしい」なんて厳しいご要望をされることも少なくはありません……。
お急ぎの仕事は特に、ものによっては対応できないことがないわけではありませんので、急ぎたい時は前もって余裕のあるご依頼を、そしてそのデザイナーや会社に何ができるのかをしっかり確認しておきましょう。
7.校了日の前日に大量の修正依頼がくる
これは…頭が痛くなってしまいますね……。デザイナーなら一度は必ず経験していると言っても過言ではないですよね。
できるだけ余裕を持ってお客様にデザインなどをお見せしても、戻りが異様に遅い……なんてこと、よくあるんです。
新聞に折り込んだり、紙面の広告のうちの一つとして作っているのであれば尚更、その新聞社や広告会社にも迷惑がかかってしまいます。
新聞や週刊誌の発刊日は絶対にずらせませんので、たとえ忙しくても、もしものためと思って余裕を持った校正を心がけたほうがいいでしょう。
8.ご依頼者以外の人がその仕事に絡んでいる
一度ご依頼主様から「こんなデザインで!」と明確な指示を受けたのにも関わらず、修正の際に「娘に見せたらダメって言われたから、デザイン丸ごと変えて欲しい」などと言われた経験、ありませんか?
これは仕事をする上ではNGです。
上記の例だと、デザイナーがデザインの方向性や指示の仕方が全く違う2人に挟まれることになり、デザイナーは困惑します。
これはいつまで経っても仕事が終わらない典型的な例なので、絶対にやめたほうがいいでしょう。
仮に第三者が絡むとしても、打ち合わせやヒアリングの段階でデザイナーにはちゃんと伝えることをおすすめします。
9.自分の意見で決めない
仮にデザインを作ったとしても、「周りがこう言ってるから……」「私はこう思うんだけど、あの人がダサいって言ってたから……」など、あくまで周りの意見を参考に修正を加えるのはNGです。
今作っているデザインをどの方向に持っていくかはご依頼主様が決めるものです。他人の意見で決まったデザインに、後になって「やっぱり自分はこうしたいんで……」と言って修正の依頼をしてしまうと、さらにお金と時間がかかってしまいますよね?
そうならないためにも、ご依頼主様本人が納得いくように、自分の意見でデザイナーと話し合いましょう。
たとえ周りの人に意見をもらったとしても、それをご依頼主様自身が「ターゲットとする層にちゃんとフォーカスできた意見だろうか?」「事業の狙い目となる人々やユーザーに重きを置いた意見だろうか?」などと判断をしていただいた上でデザイナーに指示をすると尚いいでしょう。
10.『別の会社に依頼するのでデータをください』
『中身を自分でいじりたいので文字が編集できるデータをもらえませんか?』
これもご法度です。これは著作権にも関わってくることなのですが、「データ納品」という契約でお仕事をしていたとしても、著作権はデザインを作ったデザイナーもしくは会社にあります。
著作権を譲渡するための契約をしているのであれば問題はないのですが、何の契約もなしに「データを渡す」というのは絶対にNGです。
作った人の時間やコストが「実質タダ」でお客様の手に渡り、それを「お客様が制限なく自由に扱える」ということになりますからね。
「別の会社にお願いするからデータが欲しい」というのは、聞き入れてくれる会社やデザイナーはほぼいないと思った方が良いでしょう。自分や会社のデザインを他社に漏洩することになってしまいますからね。
「中身はいじらないのでアウトラインがかかったデータが欲しい」も同様ですね。
どうしてもデータが必要なのであれば、著作権譲渡のための追加料金等を支払う形で話をまとめた方が良いでしょう。
ただし、これも取引後ではなく、ちゃんと打ち合わせの時にデザイナーにお話しすることをおすすめします。
さいごに
いかがだったでしょうか?
デザイナーならあるあるだと思いますし、お仕事を依頼している方の中にも、もしかしたら「私、当てはまってるかも……」という方もいたのではないでしょうか?
デザイナーとしてもご依頼主様としても、お仕事気持ちよくしたいものですよね。
どれもすぐに改善できることですので、前回のブログと合わせて、参考にしていただけますと幸いです。
では次回のブログでお会いしましょう。