【赤色/レッド】のカラーイメージと心理効果
先日ホームページデザインの打ち合わせを行っていた際に、「ボルドー(レッド)を使いたい」とご希望がありました。事務所に戻って打ち合わせ議事録を作成している時にふと「赤って色々あるな」と今更ながら考えてしまいました。朱色に近い赤から小豆色に近い深い赤。大まかなカラーイメージはある程度分かっているつもりですが、デザインを職業としている立場として「一つ一つの色」について深く掘り下げてみる必要があるな感じたので、取り敢えず第1回目として情熱の色「赤」のカラーイメージと心理効果(色彩効果)を掘り下げようと思います。
赤のカラーイメージ
赤いものといえば、
食べ物なら、トマト/ニンジン/サツマイモ/イチゴ/ブドウ/リンゴ/(赤)ワイン/鯛/サツマイモなど、他のものなら、血液/太陽/炎などが思い浮かびます。また、赤は誘引性のある色で、人は赤い色に自然と注目してしまいます。一つは赤い色は太陽や火や栄養など人間の生命活動において必要不可欠な色であると同時に血液や火事など(或いは毒)の危険を示す色だからと言われています。
少し抽象的なイメージで掘り下げていくと、
赤色は熱/愛/怒り/命/衝動/積極性/緊急性などがイメージされ、まとめると下記のようになります。
【ポジティブなイメージ】
元気/情熱/活力/愛情/勇気
【ネガティブなイメージ】
危険/怒り/緊急/紛争/恐怖
例えば広告の価格表示に赤色が多く使われるのは、前述の誘引性のある色彩効果が理由の一つであり、加えて積極性(購買意欲を高める)や緊急性(早くしないといけないと感じる)を持たせる意味もあります。
赤は強くなる色
有名な話ですが、赤いユニホームを着ると勝率が高くなるという検証結果があります。例を挙げるとアテネオリンピックの際にレスリングやボクシングなどの「赤か青」のユニホームを着用するいくつかの競技において勝敗結果の検証をしたところ、赤いユニホームや赤いアイテムを着用した方が勝率が高くなりました。反対に「白か青」の柔道では勝敗はほぼ五分五分でした。ユニホームカラーはランダムに割り当てられるので、本来ならば柔道のような結果になるはずなのですが、何故か赤は強いのです。自分が興奮してアドレナリンが分泌されてより強くなるのでしょうか?それとも相手が赤に恐怖を感じて本来の実力を発揮できないのでしょうか?とにかく、戦力が拮抗しているなら、なぜか赤が有利なのです。
広告デザインにおける色の選び方
これは常に気をつけたいことですが、クライアント(発注者)側もデザイン(受注者)側もWEBデザインや広告デザインにおいて選択する色が「単に好きな色」になっていないですか?
もちろん、ある面からみると自分の好きな色を推していくことも大事だと思います。ただ、デザインの場面においては、例えばお問い合わせボタンなどは赤やオレンジなどの配色がクリック率が高いことは証明されていますし、サイト全体の配色次第ではグリーンのボタンがクリック率が高い場合もあります。WEBデザインのみならず、紙媒体のデザインでも同様に特に見て欲しいコンテンツや電話番号などの配色がユーザーの認識や感情に大きな影響を与えます。
「これが正解!」というものを全てのデザインに適用させることは難しいかもしれませんが、ユーザーのイメージや統計上効果的な配色があるということは頭の片隅に入れておいてください
まとめ
ここまで赤のカラーイメージや色彩効果について纏めてみました。
補足ですが、あくまで色彩効果はそのイメージを強調するものです。色彩効果のネガティブなイメージを嫌って赤を使わない!なんてことを考えなくても大丈夫です。赤を使ったからといって必ずしもポジティブなイメージを与えるわけではありませんし、必ずしもネガティブなイメージを与える訳でもありません。赤を使うことで情熱や活力などのポジティブなイメージを強調したり、危険や緊急性などのネガティブなイメージを強調したりすることができると考えてください。
因みに、赤い色の服やアクセサリーは異性からも魅力的に見えるようになるらしいですよ^-^